十八禁恋愛私花集

スパムブログ対策

■ 最近、ネット小説を盗用したスプログ(スパムブログ)が横行しています。
 小説のジャンル関係無く被害は広範囲に及んでいるようですので、これをご覧の皆様も、今一度自分の作品が無断で流用されていないかご確認ください。

スパムブログとは

■ スパムブログとは、収入を得る事を目的として、広告を表示したり特定のサイトへ誘導したりするためだけに作られているブログの事です。その殆どが専用ツールで自動生成されています。
 
 広告をクリックする(特定のサイトへ訪れる)人が多ければ多いほど、ブログ主は多くの報酬を手にする事が出来る事から、こういったスパムブログが乱造されており、国内のブログの半数近くがスパムブログだという調査結果もあります。
 ≫「ブログの4割はスパム」を発表したニフティに聞くスパムブログの実態
 
 上記記事によると、スパムブログは「引用スパム」「アフィリエイトスパム」「ワードサラダ」「自動マルチポスト」といった自動生成系と、「出会い系」や「ワンクリック詐欺」などのアダルト系に大別出来るとの事です。中でも、一番数が多いと思われるのが、自動生成系の「引用スパム」であり、ネット小説が被害にあっているのが、まさしくこの「引用スパム」に他ならないのです。

引用スパムの手口

■ 「引用スパム」とは、他人のブログの記事などをそのまま勝手にコピーして作られたブログです。自動生成ツールが、適当な文章をネット上から見つけ出し、その文章を使って勝手にブログ記事を作成するのです。拾ってきた文章の合間合間に広告のリンクを紛れ込ませる事によって、普通のブログを偽装し、スパムフィルタの網の目をすり抜けようとしているのです。
 
 引用スパムのツールは、検索ロボットのようにWEBページからWEBページへとリンクをたどって獲物を探します。
 テキスト部分のデータを直接さらっていくため、ソースの閲覧やコピー禁止などの手段を講じたところで、自動収集作業を阻む事は出来ません。

被害に遭ったら

■ 先ずは、一度 YahooGoogle など複数の検索サイトで自分の小説の登場人物名やタイトル名、フレーズなどで検索してみましょう。スパムブログが検索結果に引っかかってくるかもしれません。
 
 もしもスパムブログと思しきものを発見したら、そのブログがスパムブログであるという事をそのブログの管理会社(提供サービス元)に通報しましょう。大抵のブログでは、スパム行為を禁じている筈です。 当該ブログとブログ主のアカウント削除を求めてください。

★ 通報の際、「盗作」「盗用」を主な論点とするのは極力避けた方が賢明です。
 
1. 著作権侵害は、親告罪
 2010年現在、盗作を罪に問えるのは権利者(作者)のみとされています。第三者が何らかの対応をブログ主ならびにブログサービス元に求める事は出来ません。→Wikipedia「著作権法」
2. 権利者である証明
 自身の著作権が侵害された事を訴えるには、自分が間違いなく権利者(作者)である事を証明しなければなりません。「なりすまし」である可能性がゼロにならない限り、話は前へ進まないのです。
3. 権利侵害である証明
 世の中に「盗作言いがかり」によるトラブルが存在する以上、当事者ではないブログサービス元の反応はどうしても鈍くなりがちです。いくら無断転載なのが一目瞭然としても、片方の意見のみで一方的に「盗作」と断罪する危険は、企業として冒せません。「当事者同士で解決してくれ」という返事が来る事があるのは、そういう事なのです。
 
 そういうわけなので、「不当な広告への誘導が行われている」事実を示して、それについて適切な対処をブログサービス元にお願いする事をお勧めします。

 
 更に万全を期すならば、スパムのターゲットとなったファイルのフォルダ名を変更してください。そうすれば、ツールの採取リストから外れる事が出来ます。
 ですが、これはあくまでも一時的な対応策でしか過ぎません。他の条件が何も変わらなければ、ツールが再びリンクをたどってやって来る可能性があります。

防ぐ方法は

■ ツールによる自動収集である以上は、それを防ぐ手段は限られています。一番確実な方法は、ツールのユーザーエージェントを調べて、.htaccess などでアクセス制限を行う事でしょう。
 ですが、残念ながら今のところ、こういったスパムブログ作成ツールについての詳しい情報は明らかになっておりません。被害に遭ってから対処するにしても、莫大なサーバのログから該当するデータを探し出すのは至難の業ですし、そのツールがユーザーエージェントを一般的なブラウザ等に偽装している場合も考えられます。
 また、レンタルサーバによっては、ログの提供サービスが無いところや、.htaccess が使えないところもあります。
 
■ サイトで検索よけを行えば、結果としてツールがサイトにやってくる確率は下がります。完全にスパムを防ぐ事は出来ないかもしれませんが、やってみる価値はあると思います。
 ≫検索避け覚書 管理人:ちくわぶ 様
 
■ 小説ページへのリンクURLをJavascript表示にして、ツールが辿れないようにする、というやり方もあります。
 ≫掲示板改造支援サイト 管理人:isso 様
 上記サイトの「3.掲示板スパム対策」 → 「8.掲示板へのリンクを工夫する」に、詳しくその方法が解説されています。
 ただし、この方法では、JavascriptをOFFにしている人やJavascriptが使えない環境にある人は、小説を閲覧する事が出来ません。携帯電話からのアクセスも不可能になってしまいます。ユーザビリティが著しく低下する事をお含みおきください。
 
■その他、小説をテキストデータ以外の方法で公開するという方法もあります。小説を画像やFLASH形式などで表示すれば、ツールに文章を拾われる事は無くなるでしょうが、どれも現実的な対処法とは言い難いものばかりです。

周知徹底を!

■ スパムブログの主は、他人の「小説」を盗用しているという意識も無く、ツールを使って無作為に、そして機械的に、「自分の商材に適したキーワードを含む文章」を自動収集しています。
 そして、このスパムブログは、スパムメールやスパムトラックバックなどと同様に、「ありふれた」悪徳商法の一つでしかないのです。
 
 自分が大切に綴ってきた作品が流用され、改変ならぬ改造されれば、激しいショックを感じられても当然です。ですが、必要以上に気に病まず、冷静に対処していく事が肝要だと思います。
 
 スパムブログというものを知らない人も、未だ沢山いらっしゃる事でしょう。少しでも多くの人にこの問題が知れ渡るように、このページの内容は好きなだけ転載してくださって構いません。
 大きな堤も、蟻の一穴から崩れ得ます。コツコツと通報、削除、を繰り返していけば、ブログサービス元の意識も変わってくる事でしょう。そのためにも、沢山の人にこの問題を知っていただけたら、と思います。

参考リンク

スパムブログによる、オンライン小説盗用の実態について 管理人:文月柊 様
 盗用発見から対処の経緯が詳しく記されています。関連リンクも充実。
 
遠見屋 我楽多倉庫 管理人:とおみなお 様
 悪徳商法の沢山の体験談と、対抗するための心構えが、読み物風に記されています。